CSS Nite vol.39 フォローアップ

こちらの記事を先日の「CSS Nite vol.39」のフォローアップとさせていただきます。

スライドの方は別途公開ということで、フォローしておいた方が良さそうなカラーマネジメント系の話とモニタの調整の手順(Windows / OS X)、あとおまけで講演時に使ったトマトの写真の元写真からCamera RAWを使った補正の手順をざっくりと書き記しておきます(元ファイルはダウンロード可)。

(追記: 2009.09.25)スライドと音声をCSS Niteさんの方で公開していただいたようです。なお、スライドのみSlideShareでも公開しておりますので、オンラインで確認したい方はこちらからどうぞ。

非常に長いエントリーになるので気合いを入れてください(笑)。

ブラウザのカラーマネジメント的なこと

まず、ブラウザを介して見る自身の環境の状態からいってみましょう。ICCのWebサイトのこちらのページでカラーマネジメントの状態を確認することができます。

color_org

ブラウザでそのページをみると一番上に写真がありますが、ICCのColor ProfileのVer. 4に対応していれば普通に表示されるはずです(Safari)。Ver. 2までの対応であれば下半分が正常な状態(Firefox 3.5)になり、全然カラーマネジメントと縁がなければ4箇所がバラバラの色になるはずです(IEとか)。

Firefoxも3.0まではカラーマネジメントを有効にすると全部同じになってたような気がしますが、3.5だとおそらく下半分だけ有効になるんじゃないかと。まぁ、それでも十分です。

ICCのWebサイト以外にも、miyahan.comさんの方でカラーマネジメントに関する非常に詳細な記事とテストルームなどが公開されています(まとめるのが面倒な話を丁寧にまとめられていますので、一度は目を通しておくと良いのではないでしょうか)。

miyahan.com | 液晶ディスプレイとカラーマネジメント
miyahan.com | 液晶ディスプレイとカラーマネジメント テストルーム

ff3window
こちらはカラーマネジメントが有効なFirefox3.5

ie8window
こちらはカラーマネジメントのないInternet Explorer 8

いずれもmiyahan.comさんのテストルームでの表示です。
こちらのテストルームは、下の方までバーッといろいろテストできるので、キャリブレーションの前と後でチェックしてみると、いかに何もしてない状態が「…」なのかよくわかるのではないかと。

Firefoxでのカラーマネジメントオプション

Firefoxのカラーマネジメントの設定についてですが、3.5からはデフォルト有効で3.0.xまでは手動で有効にするとお話ししました。設定の確認は、ブラウザのURLバーのところに「about:config」と入力し隠されている設定情報を表示します。

firefox-cmoption1

ページの上部にある「Filter(日本語版だとフィルタとかですかね)」に「gfx」と入力して、カラーマネジメントに関する項目だけに絞り込みます。

firefox-cmoption2

ここに出てきた「gfx_colormanagement.mode」がカラーマネジメントのオンオフの設定です。Firefox 3.0.xまでは「0」か「1」でオンオフを切り替えたはずですが、Ver. 3.5からは「0」でオフ、「2」が初期設定(写真だけカラーマネジメントを有効)です。「1」はページ全体にカラーマネジメントを効かせるみたいな感じだったかと。

「gfx_colormanagement.display_profile」は、モニタのプロファイルを指定する箇所なのでブランクでも構わない気もします。一応ダブルクリックすれば.iccもしくは.icmのファイルまでのパス(場所)を指定できます。

Windowsならキャリブレートしたモニタの.icmファイルかsRGBの.icmファイルを指定すれば良いのではないでしょうか。

firefox-cmoption3

WindowsのsRGBの.icmは「C:\\WINDOWS\\system32\\spool\\drivers\\color\\sRGB Color Space Profile.icm」あたりにありますかね…。この後解説するCalibrizeを実行したあとに生成される.icmファイルは「C:\Users\ユーザ名\Documents\My ICC Profiles\ほげほげ.icm」という感じで、ドキュメントフォルダに保存されます。

OS Xの場合はColor Profileが保存される場所が何カ所かあるので、ライブラリの中や自分のホームディレクトリのライブラリにある「ColorSync」などを探してみましょう。「/Library/ColorSync/Profiles/Displays/ほげほげ.icc」みたいな感じで指定します(空欄でいいかと)。

あとは再起動すればオッケーです。

モニタのキャリブレーション – Windows

Windowsの場合、昔からAdobeさんのソフトを使ってらっしゃる方は「Adobeガンマ」というのがコントロールパネルにあるのでそれを使っても構いません。ここ数年でリプレイスした方なんかは入ってないので、「Calibrize」というソフトをありがたく使わせていただきます。

Calibrize

calibrize1

公式サイトからダウンロードし起動するとこのような画面が出てきます。とりあえず中央右の「Next」 をクリックして次の画面へ。

calibrize2

モニタの明るさとコントラストを調整して、黒と白のそれぞれの中に●がみえるような感じにしましょう。下にあるのは明るすぎとか暗すぎのサンプルです。

calibrize3

RGBそれぞれのスライダが出てきたら、先日お話ししたように2mぐらい離れて目のピントをあわせないようにしてボーッとしながら各色背景と中央の●が区別できないように調整してください。

calibrize4

で、最後に保存してお終いです。前述したようにこのファイルは、ご自身のディレクトリの「ドキュメント」の中にあります。

wcs

WCSが導入されたVistaの場合は、コントロールパネルを開くと「色の管理」ってのがありますので、そちらを開いて自分のディスプレイのプロファイルとします。おそらく読めない謎の文字が出てるんじゃないかと(笑)。XPの場合は、カラーマネジメントなんてものはないに等しいはずなのですが、「画面」とかその辺でひょっとしたら追加できるのかもしれません。

モニタの状態が良くなったかどうかは、先ほど紹介したmiyahanさんのテストルームで確認してみましょう。IE 8でみるとカラーマネジメント効かないので、FirefoxとかSafariで見た方がいいですかね。

モニタのキャリブレーション – OS X

OS Xの場合は、システム環境設定の「ディスプレイ」にあるカラーを開いて「補正…」をクリックして「ディスプレイキャリブレータ・アシスタント」を開きます。

osx-calibrate1

osx-calibrate2

調整の仕方はほぼ一緒で、中央に表示されたリンゴとその背景が区別できないように左右のスライダを使って調整します。これを6回ぐらい繰り返します(笑)。

osx-calibrate3

osx-calibrate4

さらにモニタのガンマ値を設定し(Snow Leopardから2.2という話ですね)、モニタの色温度を設定します。モニタの色温度は、環境によって異なるものなのですが、一般的には6500℃にされていることが多いです(印刷が対象の場合は5000℃とか)。ようは白いものが白いように見える状態にすると。

で、最後に保存してお終いです。
Windows同様、miyahanさんのテストルームで確認しましょう。

おまけ。RAWファイルを使った現像処理

先日「時間が余ったらRAWからもやろうかな」と一応準備だけしていたのですが、大方の予想通り駆け足でも時間オーバーになったのでこちらにおまけとして一連の処理を書き記しておきます(元ファイルは一番下からダウンロードしてください)。

中川さんの講演やAdobeさんのフォローでもお話がありましたが、RAWは非破壊データになります。なので、元ファイルを維持しながら変更点だけが別に保存されて、いつでも撮影時の状態に戻せるという優れものです。失敗したと思った写真も、別にあとから露出を変更したりすることができますので(限界はありますが)非常に便利です。

RAWはカメラによって違いますが、大体12bitや14bitのデータになっていて、白く飛んでしまったようなハイライトや暗く潰れてしまったシャドウ部分にも撮影した生のデータが記録されています(どこまで記録されているかは、メーカーやカメラのお値段にも… 笑)。なので、後からハイライトを抑えたりシャドウを持ち上げたりできると。だから、モニタのキャリブレーションも必須ってわけですね。

ということで、先日の写真を使ってRAW現像してみましょう。

※今回使うRAWファイルは、NEFというNikonの独自形式です。一応AdobeさんのCameraRAWやLightroomでも開いて処理することが可能ですが、RAWに記録された公表されていないメーカー独自の設定などが飛んでしまいます。それじゃ困るって方は、メーカーが出してる現像ソフトの方が良いでしょう。Adobeさんの提唱するDNGというRAWの形式をサポートしているカメラも多いので、気にしたくない方はそちらを買っておくといいですね(ちなみにボクはRICOHのGRDとPENTAXのK-mはDNGで撮って、Lightroomで処理しています)。

まずは、CameraRAW(Lightroom)で開く

まず最初にお断りしておくと、今回はCameraRAWにしましたが、CaramaRAWでもLightroomでも基本的な画面構成というか処理系等は一緒ですので、どちらでやっても同じように作業できます。CameraRAWにはバージョンがあるので、古いバージョンでは最新のカメラのRAWが開けない(というか対応していない)とかあるかもしれません。

raw-postprocess-001

右側にパネルがいろいろ並んでいます。上に並んだボタンをおして適宜処理を選ぶという感じです。Lightroomはこれが単純に縦にバーッと並んでいます。

今回は作業の前にカメラのキャリブレーション(カメラプロファイル)を「Adobe Standard」に変更しました。メーカーさんによっていくつか出てくるものが異なると思います。

raw-postprocess-002

raw-postprocess-003

で、Adobeさんの初期設定だと「明るさ」と「コントラスト」がそれぞれ「+50」「+25」になっているので、これを一旦「0」に戻してみます。別に戻さなくても構わないんですが、まぁどうせやるならゼロからということで。

raw-postprocess-004

ホワイトバランスを調整する

撮影時にホワイトバランスのことを何も考えずに撮った場合には、状況によって白が白くなかったりしますが、それは後から「色温度」で調整可能です。今回はちょっと黄色いので、まず色温度を「2250℃」まで下げてみました。

raw-postprocess-005

露出を後から調整する

続いて思い切り暗く撮れているので、これを「露光量」で調整します。露出を適正に近くなるぐらいまであげてみます。ここで活躍するのが上にあるヒストグラムです。明るくすればヒストグラムの山がずれていくのが確認できるでしょう。

raw-postprocess-006

露出の調整はこのように後から調整できますが、カメラによってはやり過ぎるとノイズが出たりしますので「-2.0〜+2.0」の範囲で収めておきましょう。ちなみに露光量の下にある「白とび軽減」は飛んでしまったハイライト部分を抑えてくれます。

全体の明るさを調整

写真全体の明るさを調整するなら「明るさ」を使うと便利です。

raw-postprocess-007

露光量はあくまでも露出の調整です。前述したようにやり過ぎるとノイズやらが出てきます。露出補正は一定レベルで抑えておいて、全体の明るさを調整する時はこちらがいいんじゃないかと。

黒レベルと補助光効果

「黒レベル」はシャドウ(0)の位置を調整できます。「0」に近づけばシャドウの位置が左にずれ明るくなり、増やせば右にずれてより暗くなります。

raw-postprocess-008

写真はどうしてもそのままでは人間の目に見えてるようには保存してくれません。「補助光効果」は、今時でいうとこの「ダイナミックレンジ補正」に近いというか、シャドウ部分を持ち上げて暗く潰れ気味になるシャドウの部分を明るくすることができます。

raw-postprocess-009

皿の下の部分とかが明るくなり、ちょっとだけ見た目に近づいたのがわかると思います。人間の目は優秀なんですね。

コントラストや彩度を調整する

あとは適宜コントラストや彩度などを調整すればまぁ大体のトコが終わりです。

raw-postprocess-010

raw-postprocess-011

トーンカーブも用意されているので、ちょっと明るい部分と暗い部分のカーブを使ってコントラストを付けたい場合はそちらを使いましょう。

raw-postprocess-012

とまぁ、RAW現像が面倒とか思われてる方が非常に多いのですが、実際のところこないだPhotoshopだけでやった補正の作業というか手順と何ら変わりません(笑)。

色範囲を個別に調整する

さらにCameraRAWやLightroomでは、色の成分というか色相毎に色の強さをコントロールしたり彩度を調整することも可能です。

raw-postprocess-013

raw-postprocess-014

あとはPhotoshopで開いてリサイズとか色空間の変更を

こんな感じでRAWの現像が終わったら、Photoshopで開きます。

raw-postprocess-015

写真では画面ショットの撮影の関係で「オブジェクトとして開く」となっていますが、標準は「開く」になっています。その左にある「Adobe RGB〜」ってとこをクリックすると開く際のファイルサイズなどが設定可能です。ここでは16bitのAdobe RGBの画像として開いてみます。

raw-postprocess-016

埋め込まれたプロファイルで開きましょう(笑)。

raw-postprocess-017

Photoshopでの修正後8bitに変更します。写真の色補正だけならもう何にもすることはないんですが…(笑)。

で、使用用途にあわせてプロファイルを変更します。
ここではネット用ということでsRGBにしましょう。

raw-postprocess-018

raw-postprocess-019

最終的にできたファイルがこれです。

tomato-fix

と、このような感じです。
他にもアンシャープマスクみたいな処理や色収差を補正したりノイズを除去したりといろんなことができます。非破壊データで壊れることもなく、後からいくらでも変更可能でさらにこれらの調整をコピーして他の同じような写真に適用できるなんて便利以外の何ものでもありません。使わないのはあまりにももったいない

JPGで保存しておくと数年後あの写真使いたいと思っても、小さいサイズかつ加工されて保存されてもうどうしようもないとかありますからね。思い出はいつまでも綺麗なままで残しておいた方が良いかと(笑)。

ということで、おまけの方が長くなりましたが、こちらでCSS Niteのフォローアップとさせていただきます。

RAWデータのダウンロードはこちらから(著作権なんて放棄しますのでご自由に)

# Lightroomはハイブリッド版でお安いので、「写真の補正だけで終わりだよ」って方はこちらの方が最新版のカメラへの対応もCameraRAWのバージョンに影響しないのでいいんじゃないですかね。ボクは普段こっちです。

# あ、あとNik Softwareから出ている「ColorEfex Pro」ってのがあると、写真の現像処理に関するあんなことやこんなことをフィルタ的に適用できます。最近Photoshopだけでなく、Lightroomにも対応したようです(ボクはNikonのソフトの方で使ってます)。

Adobe Photoshop Lightroom 2.0(Amazon.co.jp)
Nik Color Efex Pro 3.0J Complete Edition(Amazon.co.jp)

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