自分を育てるのは自分

先日NHKの「追跡!AtoZ」という番組の「問われる日本人の“言語力”」の回を見てました。もともと多くを語らず察することは日本人の血としてあると思うんですが、最近ではメール文化の発展なんかもあり、余計に自分の気持ちや考えをわかりやすく人に伝えるということがうまくできない人が増えてきている、と。

サッカーの日本代表が勝てないのも技術どうこうというより、実はその辺に問題があるからではないかということが指摘された(今はそういった研修がおこなわれているらしい)、といった内容でした。

言語力とは、物事を論理的に考え、それを書いたり話したりする力を指す。この検定が始まった背景には、今教育現場や企業など様々な現場で「話し言葉をそのまま作文に書く中学生」、「面接で想定外の質問をされると答えられない学生」、「営業報告書がまともに書けない若手社員」が相次ぎ、言語力の低下が進んでいることがある。
http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/file/list/100130.html

ボクのことを知ってる方は「好きそうねえ…」って言いそうですが、人間とか思考とかその辺が大好きなボクはどうしても気になるので、例によってAmazonさんでいろいろ本を物色するという行動に出るわけですね。

と、そんな前振りから始めて、今回は最近買った本の紹介を。

こもりは2冊の本に出会った〜(ウルルン風で)

「言語力」をキーワードに検索してみると、昨年から始まった「言語力検定」の対策テキスト、小中学校の教員用のテキストなどが出てきました。といっても、それを買ってもなんなので、それから繋がっていく本をパラパラとチェックしていくとある2冊の本に出会いました。

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ひとつは「自分を育てるのは自分」、もうひとつは「教え上手」という本です。

10代の君たちへ 自分を育てるのは自分(東井義雄)

「10代の君たちへ」というサブタイトルがついているように、この本は「教育界の国宝」とか「伝説の教師」と言われている東井義雄先生の講演をまとめたものになります。ボクは東井さんを存じ上げなかったわけですが、子供たちにむけて語られるその話は大人が聞いてもためになるというか、すっかり忘れていたことを思い出させてくれるかもしれません。

東井先生は「バカにはなるな」と子供たちに説くわけですが、その「バカ」とは決して勉強の出来不出来ではありません。当たり前の話です。学校の勉強ができるできないなんてどうでもいいことで、「自分を大事にしない人がバカ」ということです。

道にいい道、悪い道というのがあるのではない。
その道をどんな風に生きるかという、その生きざまによって、良く見える道も悪くなったり、悪く見える道も良くなったりするんですね。
自分を育てるのは自分(東井義雄)

仰るとおりでございます(笑)。
よく「自分は不幸だ」とか「何をやってもうまくいかない」なんて嘆いてる人がいますが、そもそもそうなってしまったのはこれまでの自分のやってきた結果であることの方が多いわけです。しかし、残念ながら大人であってもそれに気付けず、周りのせいにしたりする人も思いの外多い。

周りを変えられないのなら、自分が変わればいいだけです。いろいろな人がいてくれるおかげで自分が生きていられるということをちゃんと認識しましょう。

風邪をひきたくなければ、ひかないように日頃から注意したり予防線をはるような努力はできます。将来太りたくなければ、日頃から太らないように気をつけていればよいだけの話。酒で失敗したくなければ飲み過ぎないように自制しないと。良くするのも悪くするのも自分なんです。

自分が自分の主人公。
自分を立派に育てていく責任者。
自分を育てるのは自分(東井義雄)

また、この本に書かれていることなんですが、人生を72年として自分の歳を3で割る。これを1日24時間にあてはめると36歳でお昼12時。

ボクはそろそろ38だから3で割ると12と2余ります。余りの2は1時間の2/3で40分となり、そろそろ12時40分です。こう考えるとのんびりはしてられません、がんばらないと日が暮れてしまう…。24歳なら朝の8時。寝て起きて朝の準備時間が終わった頃でしょうか。これから素敵な1日のはじまりですね。

とまぁ、大人であってもあらためて気付かされることがあるでしょう。ボーッと今をなんとなく生きてることが恥ずかしく感じられるようなエピソードもいっぱいです。お子さんがいらっしゃる方にも話のネタとしてオススメしたい一冊です。

自分を育てるのは自分—10代の君たちへ(Amazon.co.jp)

教え上手(有田和正)

こちらは「教育界のカリスマ」という有田和正さんの本です。

教えたいことがたくさんあるとき、初対面の相手に教えないといけないとき、どうしても叱らなければならないとき、何をどの順番で教えるか悩んだとき、——あなたの力量が、そこにあらわれる。
教え上手(有田和正)

ボク自身もここ数年セミナーや講師として人前で話す機会が増えてきました。会社員だった頃は、後輩に何かを教えるのにどうすればいいか、なんてことも考えてたわけですが、人前で話すことはおろか「教える」といったことを習ったことはありません。それでも自分なりに試行錯誤しながらやってきたことは果たして良かったのか、って思いながらこの本を買ってみたというわけです。

このブログなんかでもそうなんですが、ボクは「すべてを教えない」傾向にあります。時としてそれは「中途半端」だの言われたりもしますが、すべてを手取り足取り教えるよりはヒントを与え、あとは自分自身の力で調べるなりやってみて欲しいからそうしています。実際、教えるどころかイラッとするようなことをわざと言ったりもするので(笑)、「むかつく」「くそー!」って思ってる人も多いんじゃないかと(もちろん人によって使ったり使わなかったりですが)。

いまどきはネットで検索すれば答えを見つけることもできます。しかし、「答えが見つかりませんでした」という人の多くは検索するという行為は知っていても、「どのような言葉を組み合わせれば求めるものが見つかるか」「書く人の立場になったら、どういう言い回しにするか」という風に思考を発展させることができてないようです。何かを知りたければ、その答えが見つかるように問わないと

答えばかりたくさん教わってる人に、問う力を備えることはできません。
教え上手(有田和正)

つまり、答えだけを教わったとしても、そこに至るまでの過程がわからなければ応用には結びつきません。何事も基本をしっかり身につけて、自分の頭で考えて試してみることが大事なんです。

答えをすぐには教えず、自分の頭で考えさせる。結論を急がず、即答を要求せず、ゆっくり考えさせる。あえて大事なポイントを隠してヒントだけ与える。わざとあいまいなことや間違ったことを提示して、固定観念や既成概念にゆさぶりをかける。
教え上手(有田和正)

なんとなく後押しされてる気がします(笑)。

残念ながらボクの置かれている今の状況は、腰を据えて誰かを教え込むというより、限られた数時間の中でできるかぎり多くのことを伝えるという形になってしまうので「教え惜しみ」みたいなことはできないんですけどね…。

こちらの本、「教え上手」という人はどういう人をさすのか、といったことにはじまって人間性やらまでに話は及びます。「自ら考え、行動する人材をいかに育てるか」といった悩みを解決する手助けにもなってくれるでしょう。

教えることは人生のいろいろな場面で出てきます。学校教育だけでなく、社会人教育の場でもあてはまることが多く書かれていますが、決してそのような教える技術だけを解説した本ではありません。人を惹きつけるにはどうしたらいいか、そういった内容が多く含まれています。教える側はもちろん、教わる側の人にも読んで欲しいかな。こちらもいろいろな方にオススメします。

教え上手(Amazon.co.jp)

と、言語力の話はどこ行ったんだろう?って感じですが、どちらにも言語力が含まれていることだからいいですかね(笑)。

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